吹田市の小児科 (医)こどもクリニック北、乳児健診、予防接種、心臓外来。ブログ。

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記念講演に参加して

2011年09月17日
今日、大阪小児科医会設立35周年記念講演とその懇親会に出席しました。私のような新参者が出席するような類ではないとは思っていたのですが、何となくふっと「出席」に○をしてしまったのです。私にとってはとても意外な○でした。返信用のはがきを出した後もしばらくは「あ〜、やっぱりやめときゃよかったか」と悩んでいたほどです。つまんないだろうな、きっと。雲の上の人たちばっかりだよ、きっと。

案の定、会場に入ってざっくり見ても自分より若手と思われる人は誰も見かけることはありませんでしたが、席を探そうと見渡したらすっと、お世話になった(なっている、ですが)上司の先生を見つけることが出来、嬉しくてお隣に座りました。あぁよかった。数名の親しい先生方を見つけることもでき、すぅっと緊張・後悔していた気持ちが楽になりました。

記念講演は「わが国の小児医療・医学の現状と問題点」とタイトルです。多分聞きながら寝ちゃうんだろうなとあまり期待していなかったのですが、なんのなんの、非常に興味深い内容で、身を乗り出して聞き入ってしまいました。自分が「なんかへんだな、ちょっとついていけないな」と感じていたことをずばっと提示してくださっており、妙な言い方ですが「自分の気持ちに自信が持てた」、そんな感じです。予防接種のこと、母乳やミルクのこと、こどもたちの事故のこと、思春期のこどものこと、などなど話題満載でしたがそれぞれ「やっぱりそうだよな!よし、自信を持って来週からまたがんばろう!」と背筋がピンッと伸びた講演でした。

懇親会もこれまた意外に楽しくて。「きゃ=、先生!ご無沙汰してます〜!」なんて握手をかわしたり、「げ、更に頭が薄くなっている‥…」「なんか陰が薄くなった?」「なんだあのひげは?誰だかわからなかったぞ!」と心の中でつぶやいたり、隣の先生につぶやいたり。きっと知らない人ばかりだよ、と出席をキャンセルしようかとさえ思っていたのに、なんのなんの、とても楽しいひとときを過ごせました。

講演、懇親会が終わった後は親しい先生方と別口でゆっくりおしゃべり。もっともっと、もっとお話を伺いたかったのですが、電車の時間もあるし、と後ろ髪を引かれながらの解散でした。この先生方とは、まぁまたお話する機会はあるはずです。というか、またお食事にでもお誘いしましょかね。

日々に追われて最近こういう学会/研究会に対して出不精なところがあったのですが、反省ですね。もう少し積極的にお出かけしなくちゃもったいない、もったいない!

ギッターさんの宝物

2011年09月12日
全くの個人的なお話ですが、ちょっぴりお耳をお貸しください。

昨日のこと。弟一家に誘われて京都の文化博物館へ出かけてきたのです。タイトルは「帰ってきた江戸絵画:ニューオーリンズ・ギッター・コレクション」というもの。ポスターは大きなぎょろめのだるまさんの絵(伊藤若冲作)が描かれていて、「私に目をつけるとは、なかなか。」なんてだるまさんのつぶやきセリフも添えられています。このポスターがとても目を引くものがありなんとなく興味はあったものの・・・掛け軸や屏風の展覧会とは思ってもみませんでした。今回チケットが手に入ったからと誘われて、現地に来て初めて「ひえ〜、全部掛け軸と屏風かぁ」とちょっぴりびっくり。

この展覧会、ニューオーリンズの眼科医であるギッターさんという方が個人収集していたものだそうです。伊藤若冲・俵屋宗達・池大雅などなど、あまり普段ふれることのない方達の、しかも掛け軸や屏風というなおさら普段ふれることのない美術品ばかりでした。ところがね、これがね、意外に面白く引きこまれる世界、とても楽しいひと時を過ごすことが出来たのです。ちょっぴりどころか、かなりびっくりでしたね。

日本美術の「純粋で、シンプルで、素朴な」美しさに惹かれたギッターさんのコレクション、でも彼のセンスがいかに素晴らしいものかがそこここに伺えます。堅苦しい難しいものは少なく、むしろ単純化されたシンプルな絵、ユーモアあふれた作品が多かったです。大きな卵型ボディーの鶴や大きなゾウの正面像の掛け軸もありました。単純な墨だけの絵でもなんて奥深く、なんて面白いんだろう! 逆に様々な色彩の様々な花が満載!の大きな屏風も、江戸時代の日本人の作なのに、まるでローラアシュレイの花柄生地を思わせるような雰囲気、しかも輝かしさを感じるほどとてもきれい。思わず「うわぁ〜!」と小さな歓声をあげてしばらく見入ってしまいました。

きれいなきれいな桜の絵の中にカラスが2羽、という掛け軸もありました。桜がとても素敵だったのは言うまでもありませんが、枝にとまっている真っ黒なカラスの羽に群青色が重ねられていて、それがとても色の奥深さをかもし出していて思わず引きこまれました。そばで見ていた若い夫婦が「どうしてカラスなのかしら。九官鳥とかじゃだめなのかなぁ」なんて話をしているのも妙に面白くて。そう、掛け軸とかの割に若い方も結構多く来場されていて、みんなそれぞれに楽しんでいたようです。

その展覧会の姿勢にも面白さがありました。たくさんの展示品が6つのコーナーに分けられていたのですが、通常そういうコーナーの説明には「ギッター氏は〜」という堅苦しい文章があるものなのに、今回の展覧会では「ギッターさんは〜」ととても親しみのある書き方だったのです。なんて素敵! とても親しみがわきました。

通常、こういう展覧会ではいくつかの作品が絵ハガキになったりクリアファイルになったりして、グッズとして売られているのですが、いつも残念に思うのが「絵葉書になると色がかわるんだよな〜、もっと現物のほうが素敵なのに!」・・・ということ。でも、今回はこんな掛け軸に出会った、という思い出を残したくてはがきを数枚購入しました。その絵葉書を見ると「そうそう、素敵な絵だったよね〜」とその掛け軸に出会った時の気持ち・感覚を思い出すたかな、と。

いやいやなかなか。いい出会いでしたね。

さらに、その美術館を出てから(烏丸方面)しばらく四条河原町まで歩いて移動したのですが、これまで歩いたことのない道でとてもおしゃれなお店がそこここに並び、古い古い建物を改造したお店も多く、とても気持ちのいい時間を過ごすことが出来ました。もっと時間にゆとりを持ってお出かけすればよかったです。

今回見に行ったギッターさんの宝物、10月中旬くらいまで展示しているそうですが、なんと前半と後半で作品の入れ替えがあるとか。
そうなんだ・・・。もう一度行ってみようかな。
もし、京都へ行かれることがあれば、ぜひチェックしてみてください。

学会参加

2011年09月05日
今月から受付事務さん1人と看護師さん1人、新しくクリニックのスタッフに加わりました。特に看護師さんはこれから忙しくなるかもしれない秋冬に向けての「増員」です。10月頃からは風邪が多くなる季節でもありますが、ポリオやインフルエンザ等の予防接種もてんてこまいになる月でもあるので、今のうちに少しでも早く仕事に慣れてもらっておこう、という考えです。

今日の午前中はいつもの看護師さんや受付事務さんにプラス2名、朝のお掃除タイムのにぎやかでしたね。小さなクリニックの中でどこを向いても人がいて、なんだかとっても嬉しい気持ちになりました。しばらく、手続きや説明などなど、少しおぼつかないこともあるかと思うのですが、ご迷惑をかけないようみんなで支えていきますので、新人さん達をどうぞよろしくお願いいたしますね。

さてさて。先月末にスタッフみんなとおでかけした学会について少し。

今回みんなで参加したこの学会は小児の外来をしている人たちの集まりです。医師だけでなく看護師さんやら事務さんやら、さらには保育士さんとか臨床心理士さん、薬剤師さん等もたくさん参加されていたはずです。毎年あちこちのクリニックでのこんな工夫、あんな工夫などがてんこもりに紹介されていて、講演や発表等も様々な内容でとても勉強になり、刺激になる学会なんです。

こどもクリニック北からは看護師3名、受付事務さん3名が参加しましたが、広い会場とはいえなぜか学会中には1度も会場で出会いませんでした。でも、1日目の夜にみんなで食事に行ったのですが、みんなそれぞれ思うところで勉強し、見学し、とても熱心に参加していたことはその時の話でわかり、信じていたもののちょっぴり「ほっっ!」としました。仕事の分野が異なりますので、遭わないのも仕方ありませんね。それぞれ違うことを学んできた、ということは逆にお互いがそれをこれからに生かしていける、そんな楽しみにもつながりますね。

さらにこの学会では毎年たくさんの業者さんがブースをだして「こんな診断キットつかってみませんか?」「こんな電子カルテがありますよ」「こんなパンフレットはいかがですか?」と次々と声がかけられます。夕食の時にスタッフと話をしていると、なんだか足を止めるブースが異なっていて面白かったですよ。通りすがりに遠慮がちにもらった付箋紙やサンプルなども「えー、私なんて、5冊もらっちゃいましたよ」「がんがん名前を書いてサンプルを送ってもらうようにしておきましたよ」。。。頼もしいスタッフばかりで私は幸せ者です。

普段の診療につなげられるように私もあちこちに声をかけて質問し、講演もまじめに聞いてきました。本もたくさん購入しました。消化して自分の糧にするにはまだまだ時間がかかりますが、新しい情報を少しずつ仕入れていくことは忘れないようにしていきたいですね。

それにしても、例年にも増して、今回は学ぶものが多くて有意義でした。少しずつ自分が病院の勤務医から小さなクリニック開業医になってきているのかもしれません。そんな目線の変化、気持ちの変化がよりいっそうこの学会を面白いものに感じてきているのかも知れません。
来年は横浜だとか。いまからとても楽しみです。

明るいお話(その2)

2011年08月31日
落ち着いた毎日のはずなのに、なぜか雑用が目白押しでわちゃくちゃな数日を過ごしています。考えなきゃいけないこと、やらなきゃいけないこと‥‥…机の上には付箋紙のメモ書きがてんこもりです。でも、今のうち、今のうち、です。秋の足音が聞こえる前に片付けておかなくちゃ!!

さて。明るいお話第2弾。今度は「耳鏡」のお話です。文字通り、耳の中を見る鏡、です。クリニックを始めたばかりの時には耳が痛いと訴えるこども達だけを対象にどっこらしょとばかりに耳の中を見ていました。でも、少しずつ「開業小児科」の役目を勉強するにつれてその必要性が高いことを学び、今では積極的に耳を見るようにしています。使用頻度は倍増どころか10倍増くらいです。

この耳鏡、ハンドルが充電式になっていて、テーブルの上にある充電器にコトンと置くと充電される仕組みになっています。首にあたる部分に押してまわすスイッチがあり、それで明かりがつきます。でもいつも「出来る限りの時間短縮を」と考えてそのスイッチはonのままで、充電器からすっと耳鏡を取り上げただけでピカっと明かりがつくようにしていました。

初めての事件は今年の3月でした。いきなりライトがつかなくなったのです。中耳炎の経過を見ているこども達が毎日数名来院されていたその時期、正直プチパニックでした、実は。勤務時代には病院の耳鏡が必ずおいてあったので、マイ耳鏡を使うようになったのは正直開業してからです。そのため「なんでなんで!?なんでつかないの!!?」でした。幸い、ウチの看護師さんは冷静そのもの、あちこちチェックして取り扱い説明書を見て「電球がきれているかも」と原因追及。業者さんに「1日でも早く持ってきて!!!」と懇願し、2−3日後に届いた電球に取り替えました。ライトがついた時の安堵感は本当に忘れられません。

その時知ったことなのですが、耳鏡用の小さな電球は通常のハロゲン電球とともに最近LEDが出たそうなのです。ハロゲンのほうは30時間(先週末出かけた学会場で出会った耳鏡やさん曰く16時間とか)、LEDはなんと500時間! もちろんお値段は、えーっと、4倍くらい。小さい電球のせいか、ものすごくお高い印象です。長持ちするなら仕方ないか、とも思ったのですが、光の色がペンライトの時のように青白く見えるのも困ります。まぁ30時間なら当分大丈夫だからゆっくり考えようと予備をその時には買わなかったのです。

これが甘かった!案の定、また痛い目にあってしまいました。つい先日のことです。またいきなりライトがつかなくなったのです。半年くらいしか経ってないのに! 使い方が悪かったのかな? 使う頻度は確実に増えたけど、いくら何でも早過ぎです。一度耳鏡やさんに聞かなくちゃ、と思いつつまた「1日でも早く持ってきて!!!」の勢いで今回はなんとなくハロゲン電球を2つ、そしてハンドルの予備も購入しました。危機管理も大切だわ・・・。

学会会場でお会いした耳鏡やさんに聞くと、充電はずっとしていても大丈夫だけど、ライトがつくときに負担がかかるから首のスイッチはきちんと切っておくようにと怒られました。おまけに、ハンドルには賞味期限(使用期限?)のシールがついているとのこと。後にクリニックで確認してみたらとうの昔に賞味期限(使用期限!)が切れていました。あらら。ハンドルも買っておいてよかったわん。

会場で実際にLED電球の明かりも見せてもらいましたが、かなりハロゲン光に近いものになるように工夫しているとのことで確かにペンライトのような違和感を感じませんでした。耳鏡もエコの時代に移行すべきなのかもしれませんね。新しくつけた電球が切れたら考えましょう。

医療現場では明かりって大切なのね、そんなことを思わせるこの1か月でした。


明るいお話(その1)

2011年08月26日
明るいお話を2つばかり。今日はその1つ、「ペンライト」のお話。
(明るいでしょ?)

ペンライトは毎日こども達のおノドを見るために使っています。これがまた意外と「医療用」なんてものはほとんどないんですよね。あっても中身は普通のペン型ライトです。単4電池を2本入れるタイプがほとんどですが、最近はボタン電池のものも出ています。

私が医師になってすぐに使い始めたマイ「ペンライト」はおなじみディズニーで売っているペンライトです。黄色いボディで、ドナルドダックがスイッチになっています。誰かが遊びにいった時のお土産だったように記憶しています。明かりの色もやさしく、子ども達も喜んでくれるのでとってもお気に入りでした。ライトが切れてしまった時には半泣きでしたが、ディズニーに行く友人を見つけてはおねだりして、を繰り返していました。3本まとめて買ってきてもらったこともありました。重宝しました。

通常いろいろな病院に置いてあるライトは普通のいわゆるペン型ライトで、なんだかそっけなくてライトも今一つ焦点が合わないものがほとんどです。普通の懐中電灯みたいなものを置いてあるところもあります。光のちょうど真ん中が暗くて「なんじゃこりゃ?」と思うこともたびたびです。まわしてつけるタイプもありますが、どっちに回したらつくのかわからなくてイライラすることも。そう考えると光の具合、使いやすさ等、ドナルドのペンライトは本当に優れものでした。

しかし、心臓屋さんになるとあまり使わなくなり、ドナルドとも少し疎遠になっていきました。クリニックを始める前にいた病院でも再びペンライトをよく使うようにはなりましたが、ドナルドは既に手元からいなくなっていたのでやむをえず病院にある普通のライトを使っていました。一度、後輩がお土産と称してやはりディズニーキャラクターのペンライト(名前が思い出せない!)を買ってきてくれましたが、それは「LEDライト」だったのです。お、イマドキのライトだ! と喜んで使ってみたのですが・・・LEDの明かりはなんだか青白くてこども達ののどの様子がこれまで見てきたものと違うものを見ているようでした。慣れたら大丈夫かなとしばらくがんばりましたが、どうしても診断を間違ってしまいそうで断念しました。

開業してから、もっと上質のものならいけるかも、と自分でLEDのペンライトを入手しました。上質と言っても1000円しないぐらいでしたが。しばらくそれで頑張ってみたのですが・・・「やっぱり違う!」 スタッフがディズニーランドに行く事を聞き頼み込んでペンライトを買ってきてもらいました。黄色いボディのそのペンライトはドナルドからベビーミッキーにかわっていました。ま、いいか。

それも酷使しているせいか寿命は短く、次第に接触が悪くなってきて光がチカチカしてしまうようになりました。でも幸いそのスタッフはディズニーランドが好きでしたので、先日また出かけた時に今度は3本買ってきてもらいました。今はその1本目を使っています。やっぱり、これが一番です。

「ミッキーさんにカバさんのお口見せて〜。」
・・・昔は「ドナルドさんに〜」だったんですけどね。

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