1時間の大騒ぎ
2013年07月19日
辛坊さんのチャレンジ精神に乾杯!
2013年06月25日
ニュースキャスターの辛坊治郎さんと目の不自由な岩本光弘さんがヨットでアメリカを目指していたこと、みなさんご存知でしょうか? 実は個人的にとっても気になっており、ブログサイトb-sailingを毎日のぞいて密かに応援していました。残念なことに出発して5日ほどでヨットに浸水あり太平洋横断を断念するという事態となってしまいましたが。遭難を知った時にはめちゃくちゃ心配しましたし、荒れ狂う波の中でなんとか無事に助けられたと知った時はめちゃくちゃ安堵しましたし、憔悴しきった表情とはいえ生還できた2人の姿をニュースで実際に見ると正直涙ぼろぼろでした。久しぶりに気持ちが揺さぶられた数日間でした。あぁそれにしても、無事に助かって本当によかった・・・!
クジラか何かがヨットにぶつかったことが原因のようですが、短時間で浸水の早さを見極めてヨットを捨てるという重大な決断を下したこと、荒れる波の中で避難救助を呼びかけつつ盲目の方を非難ボートに導いたこと、混乱の中にありながら後で検証できるようにとヨットに固定設置していたカメラのSDカードを抜きだして持って帰ったこと、そのすべてにおいて頭が下がります。
ブラインドセーラーの方と二人だけのヨット横断。“無謀な冒険”という声も挙がっているようですが、今回の太平洋横断を岩本さん側から誘われた時、引き受ける段階で十分悩んで決断されたのであり、さらに十二分の準備のもとで出発されたのだと私は思います。もちろん後で反省点も多く出てくるかと思いますが、きちんとこの経験を整理して多くの人に伝えてくれるはずです。今回のことでますますこれからも辛坊さんを応援したくなりました。しばらく休養されるかと思いますが、1日も早く元気な姿でニュース番組に登場してほしいですね。辛坊さん、がんばれーっ!
さて。
話は違いますが、今月と来月はクリニックの大掃除月間です。それぞれの分担を決めて時間を見つけてきれいにする毎年の恒例行事です。私は今年、とにかく狭くなったクリニックの中で何とかスペースを生み出すために、長年ためた雑誌のほとんどをスキャンして電子化することを掃除の目標にしました。いわゆる「自炊」というものです。がっしりとした裁断機で雑誌の背表紙を切り落とし、スキャナーでシャコーン、シャコーンとスキャンしてデータを保存していく作業です。途中で無線LANが切れたり、紙が詰まったり、様々なトラブルが起こる中、久しぶりに昔の循環器の雑誌を紐解くと、あちこちに付箋が貼られていたり、走り書きがされていたり。その都度手を止めてその文献をつい眺めてしまうので、まぁ効率の悪いこと悪いこと。
辛坊さんとは何の関係もない作業ですが、この作業中はなぜか辛坊さんが無事に生還してきた時の姿が繰り返し頭をめぐるんです。すごいよなー、辛坊さん。私も何か目標を掲げて頑張らなくちゃね、挫折することがあっても、チャレンジしなければ何も始まらないよね。辛坊さんは今回のチャレンジを決して後悔していないはず。きっとあらゆることを想定して、十二分に準備はしていたはず。私も見習わなくちゃ。
・・・裁断した文献をみながら、これを手にした時にはいろいろ思い悩みながら心臓やさんをしてたよね。あれから私は少しは成長している? 今、ここにいる自分はどこに向かっている? 目標を見失っていない? チャレンジすることを忘れてない? クリニックはもうすぐ5年になるけど、こども達の頑張る姿やお父さんお母さんの頑張る姿に励まされながら、ここまで来れたけれど、これから私はこのクリニックをどう成長させていくべきか・・・。5年後の目標は? 10年後の目標は・・・?
朝の診療開始前やお昼休み等のこま切れの時間を利用して自炊作業をしています。スキャナーがシャコーン、シャコーンと紙送りしているのを眺めながら、時々文献に目を奪われつつ、毎日ちょっとずつ、そんな物思いにふけっています。さぁ、これからの目標をどこにもっていく?
シャコーン、シャコーン・・・あと数日で終わりそうなこの作業。でも私の頭の中はまだまだ足踏み中です。
シャコーン、シャコ・・・あ、また紙詰まり。
自炊も、物思いも、時々紙詰まり。
あー・・・よしよし動いた動いた、さあ次いこ!
クジラか何かがヨットにぶつかったことが原因のようですが、短時間で浸水の早さを見極めてヨットを捨てるという重大な決断を下したこと、荒れる波の中で避難救助を呼びかけつつ盲目の方を非難ボートに導いたこと、混乱の中にありながら後で検証できるようにとヨットに固定設置していたカメラのSDカードを抜きだして持って帰ったこと、そのすべてにおいて頭が下がります。
ブラインドセーラーの方と二人だけのヨット横断。“無謀な冒険”という声も挙がっているようですが、今回の太平洋横断を岩本さん側から誘われた時、引き受ける段階で十分悩んで決断されたのであり、さらに十二分の準備のもとで出発されたのだと私は思います。もちろん後で反省点も多く出てくるかと思いますが、きちんとこの経験を整理して多くの人に伝えてくれるはずです。今回のことでますますこれからも辛坊さんを応援したくなりました。しばらく休養されるかと思いますが、1日も早く元気な姿でニュース番組に登場してほしいですね。辛坊さん、がんばれーっ!
さて。
話は違いますが、今月と来月はクリニックの大掃除月間です。それぞれの分担を決めて時間を見つけてきれいにする毎年の恒例行事です。私は今年、とにかく狭くなったクリニックの中で何とかスペースを生み出すために、長年ためた雑誌のほとんどをスキャンして電子化することを掃除の目標にしました。いわゆる「自炊」というものです。がっしりとした裁断機で雑誌の背表紙を切り落とし、スキャナーでシャコーン、シャコーンとスキャンしてデータを保存していく作業です。途中で無線LANが切れたり、紙が詰まったり、様々なトラブルが起こる中、久しぶりに昔の循環器の雑誌を紐解くと、あちこちに付箋が貼られていたり、走り書きがされていたり。その都度手を止めてその文献をつい眺めてしまうので、まぁ効率の悪いこと悪いこと。
辛坊さんとは何の関係もない作業ですが、この作業中はなぜか辛坊さんが無事に生還してきた時の姿が繰り返し頭をめぐるんです。すごいよなー、辛坊さん。私も何か目標を掲げて頑張らなくちゃね、挫折することがあっても、チャレンジしなければ何も始まらないよね。辛坊さんは今回のチャレンジを決して後悔していないはず。きっとあらゆることを想定して、十二分に準備はしていたはず。私も見習わなくちゃ。
・・・裁断した文献をみながら、これを手にした時にはいろいろ思い悩みながら心臓やさんをしてたよね。あれから私は少しは成長している? 今、ここにいる自分はどこに向かっている? 目標を見失っていない? チャレンジすることを忘れてない? クリニックはもうすぐ5年になるけど、こども達の頑張る姿やお父さんお母さんの頑張る姿に励まされながら、ここまで来れたけれど、これから私はこのクリニックをどう成長させていくべきか・・・。5年後の目標は? 10年後の目標は・・・?
朝の診療開始前やお昼休み等のこま切れの時間を利用して自炊作業をしています。スキャナーがシャコーン、シャコーンと紙送りしているのを眺めながら、時々文献に目を奪われつつ、毎日ちょっとずつ、そんな物思いにふけっています。さぁ、これからの目標をどこにもっていく?
シャコーン、シャコーン・・・あと数日で終わりそうなこの作業。でも私の頭の中はまだまだ足踏み中です。
シャコーン、シャコ・・・あ、また紙詰まり。
自炊も、物思いも、時々紙詰まり。
あー・・・よしよし動いた動いた、さあ次いこ!
キャンディーズを探せ!
2013年05月31日
きっと私だけではないと信じています。何か大切なものをなくさないようにしまう時、「これは大切なものだから」と意識して丁寧に収納して・・・逆にどこにしまったのかわからなくなってしまうことって・・・ありませんか? ありますよね?
5月も半ばに差し掛かった頃のことです。クリニックの待合にあるディスプレイ棚もさすがにこいのぼりからアジサイに入れ替える時期です。毎年、6月のディスプレイには折り紙で作ったアジサイ(カタツムリ付き)を壁に貼り、ガラスのキャンディーをたくさんちりばめています。雨=飴、というわけ。ガラスのキャンディーはイタリアのベネチアングラスのもの、長野県安曇野のガラス工芸館で買ったもの等、あちこち出身のものがいろいろ混ざっていますがどれもとてもきれいなガラス細工です。私の大切な宝物のひとつです。
ところが。なんだかそのキャンディーズが見当たらないのです。とてもきれいな赤い箱に入れているはず。この箱も後輩から何かの折にくれたお菓子が入っていた入れ物です。おしゃれな箱で捨てる気になれず、宝物入れにしました。目立ちますので、間違えて捨てることは絶対にありません。でも、それが見当たらないんです。
あれ? どこにしまったかな?
最初は気楽に考えていました。時間を見つけてはクリニック内をあちこち探しました。でも、だんだん、日にちが経つと焦ってきました。小さなクリニックで収納する場所なんて限られています。一通り見たけど見当たりません。まぁたぶん、自宅に持って帰ったのかな、私ったら。
自宅もくまなく何度も探しました。もともと自宅では本棚にその赤い箱自体を飾り物として保管していたのですが、今年はやっぱりありません。寝室やリビング、上から下から、あらゆるところを探しましたが見当たりません。
なんだか、本当になくしちゃったみたい。。。
自分だったら、どのように考えてどこに置く? 自分だったら、というより「自分」なんだけどな、と1人ツッコミを入れながら自分の思考回路を一生懸命客観視して考えました。キャンディーズを飾るのはほとんどクリニック・・・片付けが苦手な自分は、収納は使う場所近くにいつも収納しているはず・・・やっぱりどう考えてもクリニックにおいているはず!
診療時間が終わってカルテ整理などをしながら、ふと思いつくたびにあちこちの扉をパタンパタンと探しました。でもやっぱりどこにもありません。クリニックへ来る途中の車の中でふと「あ、あの棚中にあった大きな箱の中はみてない!」と思いつくと、クリニックへ着いた途端に棚の鍵を開けてごそごそ。「・・・やっぱりないかぁ。」とがっかり。
数日前は朝から何か忘れているような気持ちにかられました。何を忘れているのかわからず、ガスや換気扇等何度もチェックして出勤。朝クリニックへついても何か忘れているような気持ちがまとわりつきます。朝礼でも何か言い忘れているような気持ちにかられ、その日は一日中本当に落ち着きませんでした。スタッフにもつぶやきました。ごめん、今日は私、何か忘れているかもしれない、と。今思うと梅雨入りの話がニュースで出てきた頃です。キャンディーズが見つからない焦りが「落ち着かない」気持ちになったんだと思います。もう、かなり重症です。
今日は5月の最終日。さすがにもうだめです。朝、こいのぼりと兜をしまい、アジサイをディスプレイの壁に貼り付けました。台は空っぽ。代わりに飾るものが全然思いつきません。この週末に何か手に入れなくちゃ。心の中はどしゃぶりです。
朝礼のあと、なんだかふと思い立ち診察室に備え付けた本箱の扉を開けました。もう何度もチェックしたところです。一番上の棚を見て、数日前と同じ光景、心臓の冠動脈の模型が目に入りました。「やっぱり、ないよね。何度見ても一緒よね。。。」
朝の診察直前にふっと頭によぎるものがありました。もう一度本箱の一番上の扉を開けて、数日前も今朝もその真下から見たのですが、ふと思い立ち、本箱から離れて上の棚を見ました。一番上の棚に今朝見た冠動脈の模型が目に入り・・・その奥に赤い箱が目に入ったのです。
「あ・・・あったぁ!あったあった、あったーっ!!」
この2週間近くのもやもやがやっとすっきりしました。宝物が見つかった喜びは何者にも代えがたいものです。うれしくてうれしくて、思わずスタッフにも蓋をあけて中のキャンディーズを見せびらかしました。本当に涙がでそうでした。
ディスプレイに大胆にアジサイを張り付けてしまったので、時間を見つけて貼りなおした上でキャンディーズを登場させようと思います。今日は診察机の横の小さな棚に赤い箱を置いておきました。ちらちらを見ながら「あぁ、よかった。本当によかった!」と一日中喜びをかみしめました。
今年の6月はこの赤い箱もみんなに見てもらいましょうね。明日飾りましょう。
あー、それにしてもよかった!
でも、今度はどこにしまおうかしら。飾る前からそんなことを悩んでいます。
5月も半ばに差し掛かった頃のことです。クリニックの待合にあるディスプレイ棚もさすがにこいのぼりからアジサイに入れ替える時期です。毎年、6月のディスプレイには折り紙で作ったアジサイ(カタツムリ付き)を壁に貼り、ガラスのキャンディーをたくさんちりばめています。雨=飴、というわけ。ガラスのキャンディーはイタリアのベネチアングラスのもの、長野県安曇野のガラス工芸館で買ったもの等、あちこち出身のものがいろいろ混ざっていますがどれもとてもきれいなガラス細工です。私の大切な宝物のひとつです。
ところが。なんだかそのキャンディーズが見当たらないのです。とてもきれいな赤い箱に入れているはず。この箱も後輩から何かの折にくれたお菓子が入っていた入れ物です。おしゃれな箱で捨てる気になれず、宝物入れにしました。目立ちますので、間違えて捨てることは絶対にありません。でも、それが見当たらないんです。
あれ? どこにしまったかな?
最初は気楽に考えていました。時間を見つけてはクリニック内をあちこち探しました。でも、だんだん、日にちが経つと焦ってきました。小さなクリニックで収納する場所なんて限られています。一通り見たけど見当たりません。まぁたぶん、自宅に持って帰ったのかな、私ったら。
自宅もくまなく何度も探しました。もともと自宅では本棚にその赤い箱自体を飾り物として保管していたのですが、今年はやっぱりありません。寝室やリビング、上から下から、あらゆるところを探しましたが見当たりません。
なんだか、本当になくしちゃったみたい。。。
自分だったら、どのように考えてどこに置く? 自分だったら、というより「自分」なんだけどな、と1人ツッコミを入れながら自分の思考回路を一生懸命客観視して考えました。キャンディーズを飾るのはほとんどクリニック・・・片付けが苦手な自分は、収納は使う場所近くにいつも収納しているはず・・・やっぱりどう考えてもクリニックにおいているはず!
診療時間が終わってカルテ整理などをしながら、ふと思いつくたびにあちこちの扉をパタンパタンと探しました。でもやっぱりどこにもありません。クリニックへ来る途中の車の中でふと「あ、あの棚中にあった大きな箱の中はみてない!」と思いつくと、クリニックへ着いた途端に棚の鍵を開けてごそごそ。「・・・やっぱりないかぁ。」とがっかり。
数日前は朝から何か忘れているような気持ちにかられました。何を忘れているのかわからず、ガスや換気扇等何度もチェックして出勤。朝クリニックへついても何か忘れているような気持ちがまとわりつきます。朝礼でも何か言い忘れているような気持ちにかられ、その日は一日中本当に落ち着きませんでした。スタッフにもつぶやきました。ごめん、今日は私、何か忘れているかもしれない、と。今思うと梅雨入りの話がニュースで出てきた頃です。キャンディーズが見つからない焦りが「落ち着かない」気持ちになったんだと思います。もう、かなり重症です。
今日は5月の最終日。さすがにもうだめです。朝、こいのぼりと兜をしまい、アジサイをディスプレイの壁に貼り付けました。台は空っぽ。代わりに飾るものが全然思いつきません。この週末に何か手に入れなくちゃ。心の中はどしゃぶりです。
朝礼のあと、なんだかふと思い立ち診察室に備え付けた本箱の扉を開けました。もう何度もチェックしたところです。一番上の棚を見て、数日前と同じ光景、心臓の冠動脈の模型が目に入りました。「やっぱり、ないよね。何度見ても一緒よね。。。」
朝の診察直前にふっと頭によぎるものがありました。もう一度本箱の一番上の扉を開けて、数日前も今朝もその真下から見たのですが、ふと思い立ち、本箱から離れて上の棚を見ました。一番上の棚に今朝見た冠動脈の模型が目に入り・・・その奥に赤い箱が目に入ったのです。
「あ・・・あったぁ!あったあった、あったーっ!!」
この2週間近くのもやもやがやっとすっきりしました。宝物が見つかった喜びは何者にも代えがたいものです。うれしくてうれしくて、思わずスタッフにも蓋をあけて中のキャンディーズを見せびらかしました。本当に涙がでそうでした。
ディスプレイに大胆にアジサイを張り付けてしまったので、時間を見つけて貼りなおした上でキャンディーズを登場させようと思います。今日は診察机の横の小さな棚に赤い箱を置いておきました。ちらちらを見ながら「あぁ、よかった。本当によかった!」と一日中喜びをかみしめました。
今年の6月はこの赤い箱もみんなに見てもらいましょうね。明日飾りましょう。
あー、それにしてもよかった!
でも、今度はどこにしまおうかしら。飾る前からそんなことを悩んでいます。
ありえないピンク
2013年05月22日
買ったのはたしか2年前です。たった2年そこそこなのに、また聴診器が壊れてしまいました。壊れた部位も2年前と同じです。卸業者さんに伺うと、やはり他の先生からも同じ聴診器で2年くらいたつと壊れたという話があるとのこと。私が変な使い方をしているわけではなさそうです。でもそれにしても早すぎますよね。
聴診器が壊れると本当に困るんです。何はともあれ聴診器、なんです。とりあえずしばらくは心臓屋さん時代に特別に購入した聴診器を使っていたのですが、実はそれもゴムがボロボロでヒビが入っています。これが壊れたら本気でお仕事が出来なくなります。やばいやばい!
部品交換も出来るそうなんです。でも、ちょうど今(5月いっぱいまで)、聴診器の「スプリングキャンペーン」中なんですって。新色も登場しています。大切なものが壊れたショックで気持ちがかなり落ち込んでいましたので、自分を盛り上げるためには、他のものを我慢してでも、これは買うしかないです。
思えば、聴診器を初めて購入したのが大学生時代でした。グレーと黒しかなく、黒は偉そうだったのでグレーにしました。それからはなんだかんだとずっと無難なグレー色。6−7年前に勤務先を辞める時に今使っている聴診器(の初代)をプレゼントしていただいたのですが、一度きれいな色を使ってみたいと思い立ち、パンフレットを穴が開くほど見つめて決めたのが「プラム色」。正直現物をみるとプラム色は怪しげな紫色に近いものだったので少ししょんぼりしましたが、聴診器自体はとても使いやすく愛用していました。
この聴診器が確か2年目くらいで壊れました(開業して1年ほど経った頃です)。そして次に選んだ2代目の聴診器は同じタイプでもう少し赤い「バーガンディ色」。実際には、ちょっとくすんだ大人色の赤。まぁいいか、というくらいの印象でしたが、今回それが壊れてしまったのです。
さて。次はどんな色にしようかなぁ。。。
スプリングキャンペーンのパンフレットを見ると、同じ種類の聴診器にニューカラー登場。その名も「コーラルピンク」・・・。洋服なり持ち物なり、人生40ン年、ピンクに縁のなかった自分にとって、さすがにコーラルピンクって、ありえない色です。でも、なんだか気になるニューカラー。結局お願いしてサンプルを持ってきてもらったのですが、やっぱり、私の人生にはありえないピンクでした。う〜ん。。。
ところが、クリニックのスタッフはかなりの「盛り上げ部隊」です。みんな口々に「いいじゃないですかぁ、そのピンク!」と大絶賛してくれるんです。え〜〜、この色が? え〜〜・・・本当? じゃあ、買っちゃおうかな?
手元に届くまでに1週間ほどかかるとのこと。万一のことを考えて今回は2つ購入することにしました。そのありえない色の「コーラルピンク」ともう一つは「ラベンダー」。時々入れ替えて休憩させながらやさしく長持ちさせていこうと思っています。
余談ですが。注文した後で、事務さんと看護師さんに怒られました。
「先生、2つ買うんだったらちゃんと値切らなきゃダメじゃないですか!」
翌日、違う事務さんと看護師さんにも怒られました。
「えー、2つ買うのに値切らなかったんですかぁ?!信じられない!」
ご、ごめんなさい・・・。
聴診器が壊れると本当に困るんです。何はともあれ聴診器、なんです。とりあえずしばらくは心臓屋さん時代に特別に購入した聴診器を使っていたのですが、実はそれもゴムがボロボロでヒビが入っています。これが壊れたら本気でお仕事が出来なくなります。やばいやばい!
部品交換も出来るそうなんです。でも、ちょうど今(5月いっぱいまで)、聴診器の「スプリングキャンペーン」中なんですって。新色も登場しています。大切なものが壊れたショックで気持ちがかなり落ち込んでいましたので、自分を盛り上げるためには、他のものを我慢してでも、これは買うしかないです。
思えば、聴診器を初めて購入したのが大学生時代でした。グレーと黒しかなく、黒は偉そうだったのでグレーにしました。それからはなんだかんだとずっと無難なグレー色。6−7年前に勤務先を辞める時に今使っている聴診器(の初代)をプレゼントしていただいたのですが、一度きれいな色を使ってみたいと思い立ち、パンフレットを穴が開くほど見つめて決めたのが「プラム色」。正直現物をみるとプラム色は怪しげな紫色に近いものだったので少ししょんぼりしましたが、聴診器自体はとても使いやすく愛用していました。
この聴診器が確か2年目くらいで壊れました(開業して1年ほど経った頃です)。そして次に選んだ2代目の聴診器は同じタイプでもう少し赤い「バーガンディ色」。実際には、ちょっとくすんだ大人色の赤。まぁいいか、というくらいの印象でしたが、今回それが壊れてしまったのです。
さて。次はどんな色にしようかなぁ。。。
スプリングキャンペーンのパンフレットを見ると、同じ種類の聴診器にニューカラー登場。その名も「コーラルピンク」・・・。洋服なり持ち物なり、人生40ン年、ピンクに縁のなかった自分にとって、さすがにコーラルピンクって、ありえない色です。でも、なんだか気になるニューカラー。結局お願いしてサンプルを持ってきてもらったのですが、やっぱり、私の人生にはありえないピンクでした。う〜ん。。。
ところが、クリニックのスタッフはかなりの「盛り上げ部隊」です。みんな口々に「いいじゃないですかぁ、そのピンク!」と大絶賛してくれるんです。え〜〜、この色が? え〜〜・・・本当? じゃあ、買っちゃおうかな?
手元に届くまでに1週間ほどかかるとのこと。万一のことを考えて今回は2つ購入することにしました。そのありえない色の「コーラルピンク」ともう一つは「ラベンダー」。時々入れ替えて休憩させながらやさしく長持ちさせていこうと思っています。
余談ですが。注文した後で、事務さんと看護師さんに怒られました。
「先生、2つ買うんだったらちゃんと値切らなきゃダメじゃないですか!」
翌日、違う事務さんと看護師さんにも怒られました。
「えー、2つ買うのに値切らなかったんですかぁ?!信じられない!」
ご、ごめんなさい・・・。
いすのお話
2013年04月30日
せっかくの連休の合間、ちょっぴり残念な雨ですね。
これはたぶん・・・私が久しぶりに洗車したせいです。ごめんなさい。
今日は「いす」のお話をしてみます。
(ちょっと前に書きかけていた文なので雨には全然関係ないです。。。)
つい先日。自宅のソファを買い替えました。以前あったソファは20年以上苦楽を共にしてきたもので、結婚したばかりの時の勢いで手に入れたものです。どこにでもある一般的な、かつ、比較的「お安い」ソファでしたが、分不相応にも5脚の立派な大きさです。今の自宅に至るまで何度か転居しましたが、本当に狭いマンションの時には2つの部屋に分解して設置することもありました。じゃまだなー、でかすぎたなー、と思いつつもこのソファは座り心地のみならず寝心地もかなり良く、次第になくてはならない存在となっていました。
でも、年月が経つとどうしてもクッションが痛んでくるんですね。座ると真ん中が妙に沈むようになってきました。よく見ると合成皮革のあちこちがはがれてきています。さすがにもう限界かな、と数年前から思い立ち、買い替えのタイミングを見計らっていました。
いろいろネットやパンフレットで見ていましたが、最終的には「思いつきの勢い」で家具やさんへ行って決めました。広い売り場で、「お探しのものは何でしょうか?」「えっと、リビングのソファなんですが・・・」「・・・800ほどありますので、ご案内します。」「・・・はぁ!?800!!?」
大体の印象を伝えて、かなりセレクトして見て回り、それでもくたくたになりながらも次々座りまくり、価格もしっかりチェックして、購入したのは2人掛けの小さなソファ。ま、分相応、ですね。1週間ほど前に届きましたが、リビングがかなり広くなり得した気分。お世話になったソファはところどころなでなでして「ありがとうね」とつぶやいて送り出しました。なんだか今頃になり、ちょっぴりさみしさを感じています。
さて。せっかくなので、次はクリニックのいすにまつわるお話。まず、待合室にある木製の椅子。あれは私の父親が作ってくれたものです。ピンクのソファは購入したものですが、座高が40cmの低いものなので、市販のスタッキングできる椅子で高さ40cmのものがどうしても見つからず、父にお願いして作ってもらいました。最近、1脚が少しぐらついて来たため奥に隠居させていますが、他はとっても健在です。
次にそのピンクのソファ。開業準備の時、ずいぶん多くの椅子に座って、座り心地や高さ、色等、入念にチェックして今のものを購入しました。合成皮革ですが、医療の現場用としてアルコールでの拭き掃除にも耐えられるものです。椅子の高さはやや低め、奥行きは、座り心地を損なわない程度で、待合の中でバギーが通っても差しさわりがないものを、と吟味しました。
途中で座る場所が足りなくなり、あちこち椅子を動かしながらシミュレーションし、ここのこの大きさがあれば、と途中で追加購入をして今に至ります。数か月前、工事担当の方を通じて他のクリニックの先生が観に来られ、結局同じタイプの椅子を導入されていました。内覧会に伺ったのですが、色まで一緒でちょっとびっくり。でも、いい色であることを認めてもらった感じで、なんだかうれしくなりました。
そして、診察室の緑の椅子。3脚あり、すべて同じ大きさ、同じ色、同じ形。一般的なクリニックではなんだか院長は背もたれがしっかりあり、中には肘かけまである立派な(偉そうな?)椅子で、患者さんの分は丸いスタッキングできる椅子、・・・ドラマでよく見かけるのはだいたいそんな感じでしょうか。でも、どうしても小さな背もたれがついたもので、絶対患者さんを同じ椅子に座るんだ!と決めていて、いろいろ悩んだ末に今の椅子に決めました。
でも・・・実際はその背もたれに小さなこども達が無理やりもたれかかるので、実際にはふんぞり返って威張ったような、通称「社長座り」状態となり、こども達もしんどい体勢、私も診察しにくい、という結果となっています。
また、何よりの失敗は椅子の脚。私はこういう動く椅子に座ったままシャーっと動くのが昔から大好きで、どの病院のどの詰所でもシャーっ!医局でもシャーっ!と動く椅子を満喫していました。今回もそのスタイルにしたのですが、こればかりは大失敗でした。ご両親がこどもを抱きかかえて座ろうとすると、かばんなどで椅子にあたり椅子だけがシャーっと動いてしまい、転倒しそうになるのです。こども達も自分で座ろうとすると・・・シャーっ!あ、危ない危ない! 椅子を手や足(お行儀悪くてごめんなさい)で押さえるのが精いっぱいです。
これも、そろそろいいものに買い替える時期かなー、と。
1−2年前からいろいろカタログ等で探しているのですが、動かない固定の椅子になるとなかなかこれはというものがなくて悩んでいます。高さの調節ができて、一応くるりと回る椅子。背もたれはないほうがいいのでしょうか。でも、一生懸命椅子に這い上がろうと頑張るこども達を見ると。背もたれがあったほうが安心して上りやすい?なんて思ってしまいます。ん〜・・・悩ましい。
そして最後に、処置室にある椅子。スタッフの意見でしっかり背もたれのあるスタッキングできる椅子にしました。これは安くて正解かも。座るところが四角い白のスタッキングチェアもお安く購入しましたが、ちょっぴり座高が高くてこれは失敗? 待合が混雑してくると一つでも多く椅子を出したくなるのですが、いいのがなくって、ん〜・・・悩ましい。
たかが椅子、されど椅子。
難しいですねー。
これはたぶん・・・私が久しぶりに洗車したせいです。ごめんなさい。
今日は「いす」のお話をしてみます。
(ちょっと前に書きかけていた文なので雨には全然関係ないです。。。)
つい先日。自宅のソファを買い替えました。以前あったソファは20年以上苦楽を共にしてきたもので、結婚したばかりの時の勢いで手に入れたものです。どこにでもある一般的な、かつ、比較的「お安い」ソファでしたが、分不相応にも5脚の立派な大きさです。今の自宅に至るまで何度か転居しましたが、本当に狭いマンションの時には2つの部屋に分解して設置することもありました。じゃまだなー、でかすぎたなー、と思いつつもこのソファは座り心地のみならず寝心地もかなり良く、次第になくてはならない存在となっていました。
でも、年月が経つとどうしてもクッションが痛んでくるんですね。座ると真ん中が妙に沈むようになってきました。よく見ると合成皮革のあちこちがはがれてきています。さすがにもう限界かな、と数年前から思い立ち、買い替えのタイミングを見計らっていました。
いろいろネットやパンフレットで見ていましたが、最終的には「思いつきの勢い」で家具やさんへ行って決めました。広い売り場で、「お探しのものは何でしょうか?」「えっと、リビングのソファなんですが・・・」「・・・800ほどありますので、ご案内します。」「・・・はぁ!?800!!?」
大体の印象を伝えて、かなりセレクトして見て回り、それでもくたくたになりながらも次々座りまくり、価格もしっかりチェックして、購入したのは2人掛けの小さなソファ。ま、分相応、ですね。1週間ほど前に届きましたが、リビングがかなり広くなり得した気分。お世話になったソファはところどころなでなでして「ありがとうね」とつぶやいて送り出しました。なんだか今頃になり、ちょっぴりさみしさを感じています。
さて。せっかくなので、次はクリニックのいすにまつわるお話。まず、待合室にある木製の椅子。あれは私の父親が作ってくれたものです。ピンクのソファは購入したものですが、座高が40cmの低いものなので、市販のスタッキングできる椅子で高さ40cmのものがどうしても見つからず、父にお願いして作ってもらいました。最近、1脚が少しぐらついて来たため奥に隠居させていますが、他はとっても健在です。
次にそのピンクのソファ。開業準備の時、ずいぶん多くの椅子に座って、座り心地や高さ、色等、入念にチェックして今のものを購入しました。合成皮革ですが、医療の現場用としてアルコールでの拭き掃除にも耐えられるものです。椅子の高さはやや低め、奥行きは、座り心地を損なわない程度で、待合の中でバギーが通っても差しさわりがないものを、と吟味しました。
途中で座る場所が足りなくなり、あちこち椅子を動かしながらシミュレーションし、ここのこの大きさがあれば、と途中で追加購入をして今に至ります。数か月前、工事担当の方を通じて他のクリニックの先生が観に来られ、結局同じタイプの椅子を導入されていました。内覧会に伺ったのですが、色まで一緒でちょっとびっくり。でも、いい色であることを認めてもらった感じで、なんだかうれしくなりました。
そして、診察室の緑の椅子。3脚あり、すべて同じ大きさ、同じ色、同じ形。一般的なクリニックではなんだか院長は背もたれがしっかりあり、中には肘かけまである立派な(偉そうな?)椅子で、患者さんの分は丸いスタッキングできる椅子、・・・ドラマでよく見かけるのはだいたいそんな感じでしょうか。でも、どうしても小さな背もたれがついたもので、絶対患者さんを同じ椅子に座るんだ!と決めていて、いろいろ悩んだ末に今の椅子に決めました。
でも・・・実際はその背もたれに小さなこども達が無理やりもたれかかるので、実際にはふんぞり返って威張ったような、通称「社長座り」状態となり、こども達もしんどい体勢、私も診察しにくい、という結果となっています。
また、何よりの失敗は椅子の脚。私はこういう動く椅子に座ったままシャーっと動くのが昔から大好きで、どの病院のどの詰所でもシャーっ!医局でもシャーっ!と動く椅子を満喫していました。今回もそのスタイルにしたのですが、こればかりは大失敗でした。ご両親がこどもを抱きかかえて座ろうとすると、かばんなどで椅子にあたり椅子だけがシャーっと動いてしまい、転倒しそうになるのです。こども達も自分で座ろうとすると・・・シャーっ!あ、危ない危ない! 椅子を手や足(お行儀悪くてごめんなさい)で押さえるのが精いっぱいです。
これも、そろそろいいものに買い替える時期かなー、と。
1−2年前からいろいろカタログ等で探しているのですが、動かない固定の椅子になるとなかなかこれはというものがなくて悩んでいます。高さの調節ができて、一応くるりと回る椅子。背もたれはないほうがいいのでしょうか。でも、一生懸命椅子に這い上がろうと頑張るこども達を見ると。背もたれがあったほうが安心して上りやすい?なんて思ってしまいます。ん〜・・・悩ましい。
そして最後に、処置室にある椅子。スタッフの意見でしっかり背もたれのあるスタッキングできる椅子にしました。これは安くて正解かも。座るところが四角い白のスタッキングチェアもお安く購入しましたが、ちょっぴり座高が高くてこれは失敗? 待合が混雑してくると一つでも多く椅子を出したくなるのですが、いいのがなくって、ん〜・・・悩ましい。
たかが椅子、されど椅子。
難しいですねー。
(医)こどもクリニック北
理事長 北 知子
〒565-0862
吹田市津雲台1-1-4
リーザス南千里2階
TEL:06-6836-0896
FAX:06-6836-0898
その日は連休明けということもあり、手足口病が流行しているということもあり、朝からたくさんのこども達でごった返していました。受付さんも看護師さんも、そして私もまさにてんやわんや。そして・・・午前11時50分頃、それは起こりました。急にド〜ンという大きな音とちょっとした振動を感じたとたんに、ふっと電気が消えたのです。ほっ?停電?あらら、初めてだわ。。。
確か初めて来院された子の診察中だったかと思います。非常灯が付いたため真っ暗闇ではなかったのですが(クリニックに非常灯があるということをすっかり忘れていて逆に暗闇でない事にちょっぴりびっくり!)、暗くなって泣きそうになったこどもをとにかく怖がらせないようにと私は停電の瞬間はそれだけしか頭になく、「暗くなってびっくりしたね〜、大丈夫だからね〜」と語りかけ、お母さんにも「あら〜、停電なんて初めてですよ〜、びっくりしましたね〜。」なんて笑顔でお話しながら、きっと瞬時停電くらいだろうと気楽に考えながら診察を続けていました。
1-2分ほど過ぎて、ふっと瞬きしたような電気がついたのですが、その後また地響きのような振動と大きな音(ド〜ン、とバチバチ? 少し変な音も混じっていました)とともにまた停電。
・・・これはやばいな、長引くぞ。さぁどうしよう?
どれくらいのこども達の診察が残っているのか? そう思った直後に初めて、停電がクリニックの機能をすべて奪うことがわかりました。電子カルテの画面が真っ暗なんです。当たり前ですよね。電子カルテの本体は緊急時用にバッテリーがあるので大丈夫なはずですが、端末は無理です。カルテを見ることが出来ない状況では経過がわからない、診察しても薬(処方箋)が出せない(手書き用の処方箋は万一に備えて準備はしていたのですが)、会計が出せない・・・ないないないで何も出来ません。
とりあえず数分かけて診察を終了しましたが、それでも復旧する様子がありません。受付に確認すると、待っている子は10名弱でした。スタッフは停電してすぐに同じフロアのクリニックがすべて停電していることを確認し、クリニックの前の交差点にある信号も消えておりかなり広範囲の停電であることも確認。2回目の停電では工事現場から大きな稲光のような光が見えた、とスタッフのコメント。次々と情報を私に入れてくれますが、どれも明るい話はありません。どうしよう・・・。
でも、どうやらこの停電は震災等ではなくこの近辺だけの様子。だとすると、よほどのことでなければ午後の診療には回復しているはず。考えた末に意を決し、待っていた患者さん達には全員帰宅してもらい、午後にもう一度来院してもらうこととしました。午後の特殊外来は無理か、と思いましたが、幸いにもその日は予防接種ではなく乳児健診の日。人数は少ない、体重測定器は充電式なので使える、会計も健診なので不要。よし、何とかなる!
こども達へ謝罪のために待合に出ると、すでにスタッフが1人1人に声をかけながら対応していました。クリニック前の駐車場も停電なので車が出せない、という方がいらっしゃったのですが、スタッフが確認済で「ゲートを足で踏んだら出ることが出来ます、下の銀行の人にお願いしたら踏んでてくれるそうです」と。こども達の手には大きなうちわ。これもスタッフが気を利かして渡してくれたようです。確かに空調が切れると、人数多いとクリニックはあっという間に温室です。改めてスタッフの気遣いや手際の良さに驚きました。
患者さん達がクリニックを去った後外に出てみると、信号の消えた交差点では警官がわんさか集まって交通整理をしていました。関西電力の救急車?がパトカーなんかよりもずっとずっとスピードを出してサイレンを鳴らしながら何台かがその交差点を横切っていきました。本当に、どえらいことになってしまったようです。
クリニックにはその後吹田市の職員が来られ「駅横の工事現場でケーブルを誤って切ってしまった」と謝罪されました。他にもSECOMの人が駆けつけてくれたり、その後関西電気保安協会の方も様子を見に来てくれたり。落ち着いた段階で非常灯だけの薄暗い中で冷たいお昼ごはんを急いで食べたものの、とにかく何かやり忘れていないか、と頭はフル回転でした。
そうそう、一番ドキドキしたのがワクチンです。クリニックには大中小と3つの冷蔵庫があります。いずれもワクチンだらけです。こういう時、とにかく扉を開けないようにすればしばらく温度は上がらないと、以前調べていましたので、看護師が急いで小さい冷蔵庫内のワクチンを大きな冷蔵庫へ移し、中くらい冷蔵庫の冷凍室に入れていた保冷剤を大きい冷蔵庫へ追加。それからは「絶対開けるな!」。だって、10度を超えたら・・・ワクチンは全滅、100万円を余裕で超える損害になります。何より翌日の予防接種が不可能になるともう大変! ある程度保冷剤は準備していましたが、冷凍庫がいっぱいになるためいくつかの保冷剤は冷蔵庫の外においていました。あとから思えばやはりもう少し多めに冷やしておいたほうが良かったです。反省。
結局、12時50分頃突然電気が復旧しました。電子カルテを再起動し、データが保存されていたことをまっさきに確認。心配だった冷蔵庫は復旧した時点で冷蔵庫は6度。からっぽにした小さな冷蔵庫は12度になっていました。電気が回復した段階で冷蔵庫のモーターが再起動、大きな冷蔵庫が8度までいったん上がってひやひやしましたが、そこから順調に下がり、通常の4度になりました。他にも、とにかくクリニック内をあちこち確認して回りましたが、床暖房のコントローラーの時計が「未設定」で点滅になってしまったぐらいで他は大きなトラブルなし。とにかく、ほっとしました。
乳児健診は通常通りに終了、午後の診察は15時45分に受付開始したと同時に、16時を待たずに診療開始しました。午前中診察が出来なかった子は処置票に印をいれておき一人ひとりに改めて「本当にごめんなさいね」。とにかく、特殊外来が予防接種でなかったこと、停電そのものが午前診終了間際だったことが何より幸いでした。そして、診察を午後に回されても快く了承してくれた患者さん達に深く深く感謝です。
そうそう、一つだけ停電で困ったことがありました。トイレです。水はハンドル操作で流れるのですが、トイレには非常灯がないことが判明。ペンライトを持って入ったのですが、普段使っているペンライトはミッキーやドナルドを押している間だけ点灯するタイプなので・・・トイレでは不便です。途中床に落としてしまった時には真っ暗!手さぐりでペンライトを探し当て、思わずトイレで「あー、あったぁ!」と声を出してしまいました。大き目の懐中電灯と充電式の扇風機、その辺が停電時には必要ですね。
しかし、それにしても手際よく動いた看護師さんや受付事務さんに改めて感心しました。そしてクリニックに顔を出してくれた多くの方達、心の広い患者さん達、クリニックは本当にたくさんの人達に支えられていることを再確認。感謝、感謝、です。
今回の停電、たった1時間程度のものでしたが、いろいろな意味で本当に勉強になりました。改めて「危機管理」の大切さを痛感しました。震災をきっかけに少しいろいろ考えてはいたのですが、いざとなるとやっぱり焦りますね。それにしても工事関連の方達、もうケーブルを切るのは堪忍、これっきりにしてくださいよ。