吹田市の小児科 (医)こどもクリニック北、乳児健診、予防接種、心臓外来。ブログ。

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ほっ・・・

2011年03月15日
福島県にいる友人とやっと連絡がつきました。この数日なんだか気持が浮ついていたのですが、これでようやく落ち着きました。何度も連絡してみたら良かったのですが、少し震災現場から離れていたこともあり、きっと忙しく働いているんだろうと一生懸命思いこんでいました。でも、実は本当に本当に心配で心配で・・・良かったです、本当に。無事で。

阪神淡路大震災関連で、ひとつトラウマになっていることがあります。震災から1年弱程たった頃、何年もご無沙汰していたある先生にある研究会でお会いしたのです。かなり上の先生で私にとっては叱られた思い出しかない怖い先生だった(兵庫県にお住まい)のですが、それでも久しぶりにお見かけしたことがうれしくて「ご無沙汰しております!震災では大変だったでしょう!」と挨拶をすると「久しぶり」の一言もなくいきなり「もうね〜、震災震災って、聞かれるのにはうんざりなのよっ!」とぷいっと去られてしまったのです。私は・・・まさにマンガにでてくるような口をあんぐり開けてその場にたたずんでしまいました。今でのその光景が目に浮かんでくるほどの衝撃でした。

もともといい思い出がほとんどなかった先生だったのですがこのことでますます縮こまってしまい、その後は年賀状を出すのも怖くなってしまいました。幸い(?)その後お会いする機会がないのですが、もし出会ったらきっと私、ぴゃ〜っと逃げちゃうかもしれません。

今回友人に連絡して返事がなかった時、その思い出がずっと頭をよぎっていました。あんまりしつこく連絡し「大丈夫?大丈夫?」と連呼するのもかえってストレスなのではと。実際にはその友人からの返事メールが私のところに届いていなかっただけだったんですけどね。素直に心配してもう一度メールすればよかったのかもしれませんね。

ただ、震災に会われた方達も、もう少し時間がたっていろいろ前向きに動き始めると、同じように「震災大変だったでしょう?」と聞かれるのがうんざりになってくるのかもしれません。私ならきっとうんざりとか言わず、心配して下さった人にはいろいろ話をしてしまうのにな、とずっと思っていたのですが、今回の震災の状況を見て、あまりにも深い傷跡であればやっぱりあまり触れられたくなくなるのかもしれないな、と少し思い直しています。

そういえば今日はテレビの番組表を見ても一般の番組が多く見受けられるようになり、ラジオでは変わらず励ましモードもありますが、ヒーリング的な曲から元気になるようなアップテンポの曲も増えてきたように思います。

悲しみを掘り返すような言動より、前向きな気持ちをサポートするという姿勢がこれから大切なのでしょうね。

思いやりの心

2011年03月14日
大きな地震が起こると、つい自分の身の回りの点検とか避難袋の中身の見直し等に目が行きます。お水にサランラップ、軍手、ラジオ。スタッフに「靴を枕元に置くべき」と言われました。確かに! 後、何をバッグにつめておけばいいのかしらん?

クリニックについてもいろいろ考えてしまいます。「内科医のための災害医療活動」という文献もメールで回ってきました。なるほど、と思うことがたくさんありまひた。電気が来なくなったらワクチンを冷やすためのアイスノンと発泡スチロールの容器が必要、電子カルテも手書きで対応できるように準備が必要(会計は・・・大変だぁ!)、吸引機や吸入器のために発電機も買っておく必要があるのかな、などなど。備えあれば憂いなし。少しずつ準備はしておかなくちゃ!

ここのところそんな自分の周辺ばかりに気持ちが奪われていたのですが、先日自宅のあるマンションのエレベータで2件隣りの方と一緒になったときのこと。ふと「地震、大変ですね〜。」と話しかけると、次のようにかえってきました。「本当ですね。東北のほうには特に知り合いもいないのですが、テレビを見ていると自分のことのように辛くなっていたたまれなくなります。本当に心が痛みますよね。」

ふと、自分のこととクリニックのことばかり考えていた自分がとても恥ずかしくなりました。思いやりの気持ちがどこかの引き出しの奥にしまって分からなくなっていたの他の人に見つけてもらった、そんな感じです。この方は阪神淡路大震災をじかに経験されていたのでしょうか。そういう方達は、テレビを見るのがどんなに辛いことでしょう。なんだか・・・とてもしょんぼりしてしまいました。自分の気持ちの狭さに猛反省です。

日本人はみんな冷静に助け合いながら震災をのりこえようとしている。そんな称賛の声が世界から出ているとも聞きました。確かに、日本人としてとても大切な、根本となる「思いやり」という心。絶対忘れてはいけませんよね。クリニックの機能を損なわないように準備万端でがんばらなくちゃ!なんて肩肘張った気持ちだったことがとても恥ずかしいです。思いやりの気持ちからスタートしなくちゃいけませんよね。

実際に現地に行くことはできません。今は物資を贈ることもかなわないそうです。でも、もう少し落ち着いてきたら、きっと私にもできることが出てくるはずです。何かお役に立てることはないか、情報収集しながら探していこうと思います。

大地震

2011年03月11日
関東〜東北が大変なことになっているようです。
クリニックにはテレビはないのですが、インターネットで別の検索をしていた時にふと大地震の3文字が目に入りました。そのあとは・・・すべて来院されたお母さん方からの情報です。東京も大変、ガスタンクが爆発炎上、飛行場閉鎖・・・。何人ものお母さん達から次々と情報をいただきました。

今まだクリニックにいるのですが、今日はさすがに早く自宅へ戻ってテレビを見ます。
親戚やら友人やらみんな大丈夫なのか、とても心配です。
連絡もなかなかとれません。。。

三寒四温

2011年03月08日
暖かい日が数日あったかと思うとまた寒い日に逆戻り。まさに「三寒四温」ですね。桜が咲くためにはこの「三寒」がとても大切と昨年聞きました。今...二寒めがもうすぐ終了、くらいでしょうか?

今、肺炎球菌/ヒブワクチンの見合わせで大混乱を来していますが、今日の厚生労働省の会議でもワクチンとの因果関係はないととりあえず判断されたもののもう少し調査を、と「当分見合わせ」となったようですね。短期間の間に詳細が調査できるとは期待していませんでしたが、その「当分」の間に肺炎球菌やヒブによる細菌性髄膜炎にかかってしまうこども達が増えてきたら、と思うと、不安」にかられますね。亡くなられたこどもたちのことを思うととても心が痛みます。だからこそ、ワクチンが感情的に悪者扱いされないことを強く願います。どうか1日でも早く接種再開になりますように!

最近の気候の変化を感じるこのごろ、何事も「三寒四温」なのかな、とふと思うことがあります。寒かったり、暖かくなったり。きれいな花を咲かせるためにその寒さを否定するのではなく、むしろ大切に生かす必要があります。今回のことも、寒いまま終わらないように、花を咲かせるためにいい方向に向かえばいいのですが。

思えば私自身、クリニックを始めて、いえ、医師になってから、三寒四温どころか九寒十温? 辛い思い、痛い思いをした記憶がてんこもりです。寒いほうが多いかもしれません。でも、それらの経験があるからこその強気、弱気、勇気と臆病さ。今の私の大切な財産になっていると思います。

クリニックの封筒の色も桜色を選んでいます(ピンク、じゃないところがミソです)。今日も紹介状を書いた書類を入れる封筒を見てふと「三寒四温」の言葉を思い浮かべました。日々、いろいろ大変なことが押し寄せてつぶれそうな気持ちにもなりますが、この寒さや辛さがきれいな桜色の花につながるのだと、一生懸命自分に言い聞かせています。(本当は、ひまわりも大好きなのですけどね。そんなまっ黄色の花になるまではまだ少し修行が必要ですね。。。)

とりとめのないブログ内容でごめんなさい、です。
なんだかワクチンのことが本当に気になって...。

大切な予防接種

2011年03月05日
朝からてんやわんやの大騒ぎでした。
昨日より少しずつ情報は来ていました。肺炎球菌ワクチンを他のワクチンと一緒に同時接種したこどもが2名翌日に亡くなったと。ロット番号が同じだったこと、一人は心臓に病気を持っていたとのこと、昨日はそのレベルの情報でした。病名はわからなかった分、あらゆる心臓病を頭に描きながら心が痛みました。そしてとりあえず当クリニックで扱ったワクチンとロット番号が異なることを確認し、とりあえず情報を待とうと思ったのが昨夜。

正直、昨夜はほとんどテレビを見ていませんでした。メールも帰宅後は1回チェックしたのみです。今朝もあまりテレビを見る時間もなく自宅を後にしました。クリニックのあるマンションの立体駐車場に到着し、入庫までの時間にFMを聞いていてふと耳に飛び込んだのです。厚生労働省が肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種を当分見合わせるという決定をしたと。思わず車の中で叫んでしまいました。今の立場では情報収集がいかに重要なのかを痛感した瞬間でした。寝る前にもう一度メールを見ておけばよかった!

クリニックへ入り、とにかく真っ先にパソコンを立ち上げたら...なんと一晩で56通ものメールが届いていました。げげげ...。今月の2日から4日までの間に関西で合計4名の方が翌日もしくは3日後に亡くなられた、それを受けて厚生労働省が昨夜遅くに接種を控えるよう通達をだしたようです。医師会からは今朝メールが、メールチェックをしている間にファックスも届きました。慌てて朝の準備をそそくさとしながらざっくりメールに目を通し必要な書類をprint outしました。とにかく皆さんに情報を流さなくちゃ。とりあえず月曜日の予防接種の予約の入っている人へ連絡するよう指示をし、メール配信をして、HPにも情報を流し。あ=、外来が始まる〜! ばたばたばたばた...

診療中でも次々と情報が入ってきました。その中でdocomoの携帯へのメール配信が×だったことが判明(いつもdocomoではトラブルが多いです。セキュリティーがしっかりしているのかも知れませんが、いつもメールを送るのが大変です。)、届かなかった方をピックアップして診療終了後に再送。えらいこっちゃ。問い合わせのお電話もわんさか。看護師さんもばたばたばたばた...

因果関係が不明である以上、対応について疑問は残るもののしばらく接種を見送るのはやむを得ないかと思います。亡くなられたこども達のご家族はさぞかし衝撃をうけていらっしゃるだろうと心が痛みます。何より2名の方は心臓や肺に病気があったとのこと。現病で突然命を落とす可能性もあったかも知れません。でも、詳しい情報のない今の時点でその病気が問題だったのか、予防接種が問題だったのか、明らかではありません。...情報がない分、心臓屋さん時代の辛い思い出が次々とよみがえり、今日は診療を続けながらもふと手が止まることが何度かありました。

とても複雑な気持ちになりつつ、でも、予防接種を推進していく流れや勢いが途切れてしまわないか、それがとにかく一番心配です。肺炎球菌やヒブで命を落としたり重度な後遺症が残ったこどもたちが後を絶たないのも事実です。感染症で命を落としてしまった心臓病のこどもも経験があります。だからこそ思うのです。絶対、予防接種は必要なのだと。

今回のことで予防接種推進の灯火が消えてしまわないように、心から願うばかりです。
それでなくてもせっかく一部公費負担が約束されて同時接種も半分以上の方が希望され始めたところだったのに! この流れを止めないようにしなければなりません。

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